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zoom RSS 写真はオリジナリティで勝負したいものです!

<<   作成日時 : 2009/01/10 22:26   >>

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 ここ数日、写真のことでニュースになっていることがあります。廃墟を撮影した写真をめぐって、先に撮影して写真集などにまとめていた写真家のかたがあとから同じ廃墟を撮影した写真家を訴えたというもので、テレビのニュースでみると両者の写真のあいだには微妙な感じも。

 廃虚をテーマに写真を撮影している写真家の丸田祥三さんが、撮影場所や構図をまねされ、著作権を侵害されたなどとして、写真家の小林伸一郎さんを相手取り、損害賠償や写真集の販売差し止めなどを求める訴訟を東京地裁に起こしたというもの。(YOMIURI ONLINEを参照しました)

 いろいろ調べると、丸田祥三氏のファンというひとによって、『小林伸一郎氏 盗作・盗用検証サイト』というものもネット上にはすでに作られ、広く一般にその類似性を提示しているかたもいました。
http://haikyo.kesagiri.net/

 夕方のテレビニュースで特集を組んだところも2局あり(自分のみた範囲で)波紋は広がっているようです。その1社の特集では過去の判例を参考に、問題点を整理してわかりやすく解説していて好感が持てました。その過去の判例として参考例としてだしていたのが『みずみずしいスイカ 事件』(東京高判平成13年6月21日)というもので、この例からすると今回の裁判は原告有利のようにも思えます。(ここでは裁判の優劣を論じるつもりはありません)

 この「スイカ事件」では写真の類似性が問題になり、「東京高裁は、被写体の決定の創作性も写真の著作物の保護の対象であるとした上で著作権侵害を肯定する判断を下しました。」(三枝国際特許事務所の解説を引用)
http://www.saegusa-pat.jp/copyright/cr_02_3_3.htm

三枝国際特許事務所の解説は写真を撮る上で参考になると思うのでもう少し引用してみたいと思います。

「本件写真は、そこに表現されたものから明らかなとおり、屋内に撮影場所を選び、西瓜、篭、氷、青いグラデーション用紙等を組み合わせることにより、人為的に作り出された被写体であるから、被写体の決定自体に独自性を認める余地が十分認められるものである。したがって、撮影時刻、露光、陰影の付け方、レンズの選択、シャッター速度の設定、現像の手法等において工夫を凝らしたことによる創造的な表現部分についてのみならず、被写体の決定における創造的な表現部分についても、本件写真にそのような部分が存在するか、存在するとして、そのような部分において本件写真と被控訴人写真が共通しているか否かをも検討しなければならないことになるものというべきである」

 写真はシャッターをおせばだれでも写すことができますが、その過程で写真作家の場合は特にオリジナリティを大切にしないと著作権侵害という問題とは無縁でいられないということで、作品性で勝負する写真家なら似てしまったですまされる問題ではないと思いますが、訴えられた小林氏は、

 「写真とは、撮影状況や色の使い方など様々な要素により独創性が生み出されるもの。丸田氏の主張は、先に撮影した被写体を他の写真家は撮影してはならないというに等しく、断固として争う」(YOMIURI ONLINEを参照しました)ということで、先にだれかが撮影したところを後から撮影したら著作権侵害になるのかという問題もありその裁判の行方がきになるところです。裁判では小林氏の作品にオリジナリティがあるのかどうかも焦点のひとつになりそうな感じです。


【資料】
三枝国際特許事務所
http://www.saegusa-pat.jp/index_j.htm
著作者の権利
3.著作権侵害の成立要件
http://www.saegusa-pat.jp/copyright/cr_02_3.htm
【著作権:資料】 参考裁判例
みずみずしいスイカ 事件(東京高判平成13年6月21日)類似性肯定
http://www.saegusa-pat.jp/copyright/cr_02_3_3.htm

【資料】
小林伸一郎氏 盗作・盗用検証サイト
http://haikyo.kesagiri.net/

【資料】
YOMIURI ONLINE
社会
廃虚写真家「場所や構図まねされた」とライバル提訴
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090109-OYT1T00663.htm?from=main3

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コメント(24件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして、以前からずっと愛読させていただいてました、anomalocarisと申します。
この件、私も気になっていたのでコメントさせていただきました。
写真はシャッターを押せば撮れると言っても、プロの写真は「作品」ですし、
プロアマ問わず著作権はもちろんありますし、著作権者はそれを主張できます。
けど、写真ってどうしても同じ被写体を撮ったら似て来ちゃいますよね。
風景写真なんかでは被写体も撮影ポジションも似通ってしまうことはよくあると思います。
廃墟という特殊なテーマでは被写体がかぶるのもしかたがないと思いますし、
この問題は一枚一枚の写真の問題ではなく、「極めて酷似した写真が複数あり、それが写真集として販売された」
ということが問題なのだと、私の個人的(及び素人的)見解では感じました。
何れにせよ、裁判の行方が気になりますね。
このような事例がエスカレートして、blog等で写真発表するアマチュアまで縛られるようなことが無いように願っています。
anomalocaris
URL
2009/01/11 00:12
素人が、ある有名な観光地の写真集を見て、同じ場所で同じ構図で写真を撮り、「あの有名なところへ行ってきました!」というのは、有りだと思うんです。
今回の件も、たった1枚ならば、たまたま同じ場所で撮ったと言えますが、何枚も同じ場所で同じ構図の写真があることから、真似したと言われるのは仕方ないと思います。
いずれにしろ、裁判がどうなるのか気になりますね。
58Caddy
2009/01/11 01:16
私個人の判断では・・プロという立場でコレはクロだと思います。
ささ
2009/01/11 01:26
こんな問題が発生しているとは知りませんでした。比較検証されている方のサイトを拝見しましたが、私にはほとんどの比較が別の作品のような感じました。基本的には思想感情として表現された部分についてのみ著作権がかかってきます。場所の選定そのものやレンズの選択や絞り・シャッタースピード等の個々の要素はアイデア的に過ぎませんのでそこが同じでも全然関係ない話で、それらの手法をもって表現された結果が被るかどうかということになろうかと思います。表現方法は判定にはほとんど関係なくあくまで表現結果の重なりを見ることになろうかと。で、写真の比較を拝見した感想としては、個々の写真としての表現は別のように感じました(主観です)。写真を束として考えて表現だ(要は写真集単位での)とするなら、遺棄された風景というところではイコールだと思いますが、全体に対しての疑義の生じている写真の割合が少ないのでこれも難しいのでは。また、解説そのものは事実を記載したものに過ぎず著作物性は否定されるでしょうね。「引用」だとも言えてしまいますし。いつもの噂に対する書き込みみたいにあ〜だこ〜だ言ってみました(笑)。
private2eyes
URL
2009/01/11 10:58
丸田氏独自の取材で間違えた部分(後で訂正済み)まで同じ解説が載っているとなれば、小林氏が丸田氏の写真集を見ていたといえます。これはクロでしょう。少なくとも解説部分は無断引用ですね。
さらにマネキンの写真も、わざわざ椅子に座らせる配置にしたところも、アイデアを盗んだと思われて仕方がないでしょうね。
アマチュアが真似をするのと違い、プロとして情けないですね。小林氏の反論も論点をすり替えているようで、ここでもなんだかズルさを感じます。

これがもし別のテーマの写真集で、たまたま一点だけ似たようなものが入っていた場合なら、ここまで問題にならなかったのでしょう。だれでも同じ被写体で同じような構図になることはたくさんありますから。
以上、私の個人的な感想でした。
Toshi
URL
2009/01/11 15:01
私は、プロとしてだけじゃなく人間として恥ずかしい一件だと感じました。これをパクリじゃないと言い張られると悲しいですね。見方の違いはあるにしても、あまりにも酷似のカットが多過ぎます。
それにしても、よくもまぁここまで「正々堂々」とやったものではありますね。
純米吟醸
2009/01/11 16:39
プロとしておこなわなければいけないこととして

そもそも他人と似てない物を作らなければならない。

ということがあります。

それを、オリジナリティと言う言葉で言っていいと思います。

万が一、(万が一なとあり得ないと思いますが)過去の作品と似ている(酷似している)作品を作ったとしたらその点で既にアウトだと思います。

自分の写真は自分のオリジナルであることを保証する。それはプロとして、(すべての職業において)当然のことです。

おそらく、ここにいるすべての人が自分の仕事に対してはそのような姿勢で行っていると思います。ですから、似た1枚が入っているというだけですでにプロとしてはアウトです。

作品なら当然のことです。

PS. 
プロ(または、気に入った先達)の作品を見て、アマチュアが習作を作るのとは訳が違います。習作は、あくまで習作として尊重されるのはあり得ると思います。

マスター
2009/01/11 21:06
あの、私はどちら(丸田さんも小林さんにも)にも組するつもりは毛頭ないのですが、マネキンの写真に関して「わざわざ椅子に座らせる配置にしたところ」とおっしゃる方は、丸田さんの撮影後、その状況を丸田さん自身が破棄されたところをご覧になったのか、あるいは、丸田さんが撮影した後、小林さんが撮影されるまでの間に現地に立ち入ったことがある方なのでしょうか?そうでないのだとしたら、随分な物言いに思われますが。

貴兄が仰るように、「だれでも同じ被写体で同じような構図になることはたくさんありますから。」であれば、同じ場所に行って、同じ様に件の椅子をフレームに収めれば、マネキンは同じ様にいて当然なのではないでしょうか?

以下別次元の話として、私個人のスタンスとしては、発見者としての丸田さんの功績は評価しますが、「比較サイト」に挙げられている小林さんの写真を見る限り、表現として別物ではないかと考えます。

「その場所の発見者」ということに敬意を払え、という議論に対しては、「『表現』というものはそういうものではないのではないか」という個人的な見解でしか応対できませんが。
deco
2009/01/11 22:06
う〜ん・・・。
ケイさんがこの記事につけたタイトルが表わしているでしょうね。
昇り龍
2009/01/11 22:13
anomalocarisさんはじめまして!
いつもお読みいただきましてありがとうございます!
この問題は、正におっしゃるようなご指摘のポイントが問題になっているのだと個人的にも思います。
東京タワーを撮ったらみんな著作権侵害になるのかということになるとややっこしい問題になりますよね。
裁判の行方が正に、きになったコトになりそうです。
同じく廃墟をテーマにするにしてもアプローチの方法などで作者のオリジナリティをだすことはできるとは思いますが、なかなか難しい問題を含んでいますね。
今後も行方を注目していきたいと思います。
blog管理
2009/01/11 22:25
58Caddyさんこんにちは!
おっしゃる通りかと思います。58Caddyさんのご指摘のポイントは、スイカ事件で指摘されているおはなしですよね。あの高裁判決は画期的ともいわれているようですがその判断はむずかしい感じですね。今後の裁判の行方がきになりますね。
blog管理
2009/01/11 22:31
ささサンこんにちは!
明快なコメントありがとうございます。
個人的には限りなく黒に近いグレーかなと感じますが裁判での判断がどうなされるのか注目していきたいと思います。
blog管理
2009/01/11 22:35
private2eyesさんこんにちは!
とても示唆に飛んだコメントに感心いたしました。
ありがとうございます。この問題はいろいろと難しい感じですよね。ただ先に探して撮影された場所に別のかたが次々に行ってその場所を撮影して作品としてだすということの行為も問題にされているようです。
今回の問題を裁判所がどう判断するのかこれからも注目していきたいと思います。
blog管理
2009/01/11 22:41
Toshiさんこんにちは!
何年か前に先に探して撮影された場所に後から同じ場所に次々と行き撮影をして作品としてだすという行為も問題にされているようです。スイカ事件の例でいくと今回のはという感じでしょうか。個人的にはおっしゃる通りかと思います。
blog管理
2009/01/11 22:46
純米吟醸さんこんにちは!
「それにしても、よくもまぁここまで「正々堂々」とやったものではありますね。」と、自分も感じます。訴えた写真家さんは後出しのほうの編集者にひどい言葉をいわれたとか。なんでそうなるのという感じですね。
blog管理
2009/01/11 22:51
マスターさんこんにちは!
おっしゃる通りだと思います。そのような気概があれば今回のような問題は、そもそも起こっていないとも思います。個人的には表現者なら裁判をおこされるということ自体恥ずかしいことだと思います。
blog管理
2009/01/11 22:55
decoさんこんにちは!
検証サイトの記述に、
「マネキンの首の有無から、池尻氏の撮影時期の方が明らかに早いことが伺えます。またマネキンを細工する、という演出の仕方が同じですので、偶然の一致ということは有り得ないと思います。」とありこれを読むとそう書いても問題ないのではないでしょうか。
両者の写真を違うとみるか類似性があるとみるかは個人の主観の問題もあると思いますので、ここではなにもいうつもりはありません。発見者に敬意をはらえということとはちがい、苦労して発見した場所に後から次々と行き撮影しまくって作品とする行為も今回は問題視されているようです。あとこのブログでは、コメント欄のご利用に関しまして簡単なルールを決めさせていただいていますのでご一読いただけると幸いです。URL
blog管理
URL
2009/01/11 23:10
昇り龍さんこんにちは!
ありがとうございます!今回はタイトルをどうしようか考えました。
blog管理
2009/01/11 23:13
個人的なライバル意識が、公の場に出ただけでは?(あくまで私個人が思った事です。)
最近世の中、権利!権利!と自分の権利だけ主張する風潮がマスコミを中心にはびこっていますが、あまり行き過ぎると世の中全体、かえって仕事をやる上でも規制!規制!に縛られる社会になるのでは?
どちらが良い悪いだけで判断するのも疑問です。この事件が社会に与える影響(特にマスコミを通じて)の方が心配です。
最近は権利ばかりがはびこった社会になり、昔と比べて、仕事がやりづらくなったと感じているのは私だけなのかなぁ?
モンテスQ
2009/01/11 23:32
失礼しました。
コメントを付けている方に対してのコメントは、管理者さん以外は御法度だったようですね。申し訳ありません。
このコメントを確認して頂いてから、当該コメントとこのコメントを削除頂いて結構です。
deco
2009/01/11 23:44
モンテスQさんはじめまして!
お気持ちよくわかります。権利、権利と過剰になる社会の動きは問題に感じます。この問題は取りあげるマスコミにも報道の際には冷静さが欲しいところですね。個人的にはニュースをみる限り過剰に権利ということを煽っているようにはみえませんでした。
この問題は作品の著作権の問題を争っていて単純な権利の問題でもないと思いますので、そのあたりも裁判の行方でみていきたいですね。
blog管理
2009/01/12 00:20
decoさんこんにちは!
ご理解いただけてよかったです。
ありがとうございます。
あの項目を入れたのは、いろいろと発展していくと際限なくなり管理者も24時間みているわけではないので知らないうちにエスカレートしてしまうという問題があるためでした。ご理解に感謝いたします。
blog管理
2009/01/12 00:26
えらく遅くなってしまいましたが、あけましておめでとうございます。本年も参考になるお話の数々をよろしくお願いいたします。記事、私も新聞で見ました。風景写真の分野ですと同じロケで類似の被写体を撮影している例は山ほどあります。その場合、技術の巧拙ももちろんですが、おおくは新しい視点、得難い光線、条件を発掘し得たかどうかで、みなさん、作品の優劣を判断しつつ鑑賞されるようです。今回の廃墟写真の件は、それもありますけれども、丸田さん側によりますと「一般には知られていない被写体を発掘すること自体の創造性」というか努力の結果として、作品が保護されるべき、との主張が更にあるように見えます。これは、新しいジャンルの被写体が開拓されるときに出てきて不思議ではない考え方でして、たしかに傾聴に値するとは思います。けれども、ではジャンルがよく確立して、またどの被写体でもそのロケが一般に広く知られるようになってしまったらどうなるんだ?の問題も出てきそうに思います。訴訟判決もさることながら、写真家のあいだでのオープンな議論、というか検討がなされても良いんじゃいかと思いました。
のんたろう
2009/01/12 13:08
のんたろうさんこんにちは!
新年明けましておめでとうございます!
こちらこそよろしくお願いいたします!
そうですね。おっしゃるような論点もありますね。
一般にまだ知られていないところをみつけて撮影しそれを発表する。そこに別の作家がいき撮影したからといって非難されるべきものでもないですよね。その撮影場所を探しだす先人の創造性という側面もまた確かにありますよね。それも程度の問題もあるのかもしれませんね。先人の行った先をかたっぱしから行って自分の作品としてどんどん何冊も写真集をだすというのはやはり感情として先に撮影されたかたは納得いかないということもあると思いますし、そのあたりも裁判でどう判断されるのかということなのかなと思います。
おっしゃるように、写真界全体の問題として今回のことはオープンな議論があってもいいですよね!
blog管理
2009/01/12 22:29
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